今回レビューするのは、VCや会議、配信などで使える定番マイク audio-technica AT2040 です。 マイクはスペック表だけだと違いが分かりにくく、実際には 「声がどう聞こえるか」「ノイズをどれだけ拾うか」「使いやすいか」 がかなり重要です。
そこで今回は、音声サンプルを掲載しつつ、音質・無音時ノイズ・タイピング音の拾い方・OBSで軽く処理した後の変化までチェックしていきます。
同社から出ているコンデンサーマイクのAT2020との比較や、オーディオインターフェースのAT-UMX3と組み合わせた音声などもあります!
audio-technica AT2040は、ノイズに強くリッチな音質が魅力のプロ向けダイナミックマイクです。
ハイパーカーディオイドの指向性により環境ノイズを抑えつつ、低音の厚みと明瞭感を両立した聞き取りやすいサウンドが特徴。金属筐体の高級感もあり、配信・ポッドキャスト・VCで「プロっぽい音」を目指したい方に最適な一本です。
ただし、ゲインを稼げるオーディオインターフェースやショックマウント、マイクアームなどの周辺機材が必須で、トータル予算は27,000円〜35,000円程度を見込んでおく必要があります。機材さえ揃えば、ノイズのある環境でも高品質な音声収録が可能になる、一歩先のマイク環境を実現できる製品です。
こんな人におすすめ!
- ノイズのある環境でもクリアな音声を録りたい方
- 配信・ポッドキャスト・VCで聞き取りやすい声を届けたい方
- プロ向けの機材に一歩踏み出したい方
こんな人には向かない!
- オーディオインターフェースやインラインプリに予算を割けない方
- マイクと口元の距離が頻繁に変わる使い方をする方
- 息遣いなど繊細な表現を収録したい方
audio-technica AT2040の評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 音質 | (4.5) |
| 無音時ノイズ | (4.6) |
| タイピング耐性 | (4.6) |
| 使いやすさ | (4.3) |
| コスパ | (4.3) |
- ノイズに強く、使いやすいマイク
- 低音域の厚みが丁度よくて、リッチさとクリアさが両立している
- 近接効果が弱めで、口を近づけてもクリアめな音
- 金属筐体で質感が高い
- シンプルなデザインでプロ機材感が強い
- ゲインが稼げるオーディオインターフェースやインラインプリが必要
- ショックマウント・アームの導入は必須級
audio-technica AT2040の基本仕様
| 製品名 | audio-technica AT2040 |
|---|---|
| 接続方式 | XLR |
| マイク方式 | ダイナミックマイク |
| 指向性 | ハイパーカーディオイド |
| 周波数特性 | 80~16,000Hz |
| 感度 | −53dB(2.2mV) |
| 最大SPL | 94 dB |
| 参考価格 | 14,520円 →Amazon |
スペック表だけを見ると、ハイパーカーディオイドでノイズに強いダイナミックマイクという印象ですが、マイクは実際に録ってみるとかなり個性が出ます。
そのため本記事では、スペックよりも 実際の録音結果と使い勝手 を重視して見ていきます。
外観・付属品をチェック
付属品一覧

- マイク本体
- 5/8から3/8インチネジへの変換
- キャリングケース
- 説明書類
- 保証書
本体デザインと質感





デザインはザ・プロ機材って感じのシンプルさです。
全身ブラックの金属筐体で、頑丈さと高級感を感じられます。

マイク上部を回して開けてみると、中に分厚いスポンジが入っていました。
このスポンジがポップフィルターとなっており、ポップノイズへの耐性はかなり期待できそうです。
audio-technica AT2040の音質をチェック
収録条件について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 録音ソフト | Audacity |
| オーディオインターフェース | LEWITT Connect2 |
| XLRケーブル | オーディオテクニカ BX9 |
| USBケーブル | 全て付属の物を使用 |
| アーム | Alterzone ALZ-M5 |
| 音量調整 | 同基準で調整 |
| マイクと口元の距離 | 15cm |
※録音レベルは通常時で-12dB狙い
※最終調整にて-16LUFS、TruePeak -1dBTP
※マイクと口元の距離は15cm、向きは正面
音声サンプル一覧
1. 素の読み上げ音声
条件 : 15cm / 無加工 / 環境音なし
条件 : 10cm / 無加工 / 環境音なし
2. 環境ノイズありの読み上げ音声
条件 : 15cm / 無加工 / 環境音あり
3. タイピングあり読み上げ
条件 : 15cm / 無加工 / 環境音あり
条件 : 15cm / 無加工 / 環境音あり / ショックマウントなし
4. OBSで軽く処理した後の音声
条件 : 15cm / 無加工 / 環境音あり / ノイズ抑制・コンプ
5. 距離比較サンプル
条件 : 5cm → 10cm → 20cm → 30cm / 無加工 / 環境音あり
音質の総評
全体としては、スッキリしながらも厚みのあるリッチなサウンドです。 低音を過剰に盛るタイプではなく、話し声を比較的そのまま前に出してくれる印象があります。
悪く言うと味のない音質ですが、万人受けしやすい無難な音になっているので、声による相性とかも特には無いように感じます。
通話や配信のように「まず聞き取りやすいこと」が大事な用途では、かなり扱いやすい部類に入ります。
マイナス面を厳し目に見ていくと、繊細さは感じにくいです。
歌だったり、楽器の収録用途であれば、AT2020の方が適しているように感じます。
サンプル別の感想
1. 素の読み上げ音声
チェックポイント : 声の自然さ、明瞭感
- クリアで厚みが十分に感じられてリッチな仕上がり
- 距離10cmの方が温かみのあるいい音に感じる
- 解像感の高さや繊細さは感じられない
- ポップノイズは入らない
2. 環境ノイズありの読み上げ音声
チェックポイント : 環境音の拾い方
- よく聞けばうっすらノイズが聴こえる
- 声が聞き取りにくくなるというレベルではない
3. タイピングあり読み上げ
チェックポイント : タイピング音の拾い方
- タイピング音は多少入るが、声が埋もれるほどではない
- ショックマウント無しだと衝撃音がかなり目立つ
- ダイナミックマイクの良さを生かすならショックマウントは必須
4. OBSで軽く処理した後の音声
チェックポイント : 加工耐性、仕上がり
- タイピング音はほとんど聞こえなくなる
- 配信などで使えるレベルの音に感じる
5. 距離比較サンプル
チェックポイント : 近距離、遠距離耐性
- 近接効果は弱めで、5cmでも籠りのない聞き取りやすい音
- ノイズ抑制を使用しないのなら5cm前後で使うのがベスト
- 20cmまでは目立たないが、30cmを超えると反響音が目立ち始める
- 距離30cmでゲインがギリギリになります。
- 最大ゲイン72dBのLEWITT Connect 2では距離30cm辺りが限界
このマイクの音を一言でまとめると
「適度に低域の厚みが感じられてリッチな音。近距離での使用と相性が良いマイク」
audio-technica AT2040の使い勝手をチェック
接続のしやすさ

AT2040はXLR接続にのみ対応しているため、オーディオインターフェースとXLRケーブルを別で用意する必要があります。安く見積もっても2つで10,000円弱くらいの費用が掛かります。
また、スタンドが付属しないため、マイクアームも別で購入する必要があり、安くても3,000円くらいはします。
更に欲を言うと、タイピングをした際にデスクから伝わる衝撃音を軽減させるために、ショックマウントも用意したく、そちらも+3,000円程かかります。
つまり、マイク初めての方がAT2040を導入する場合、安く見積もってもマイク込みで27,000円は見ておいた方が良いです。
マイクに見合ったレベルの機材で揃えたい場合、マイク込みで35,000円くらいは必要です。
いずれにしろ、そこそこの金額は必要になります。
マイクアームとの取り付け

ダイナミックマイクなので、口元との距離を近づけて使用したく、基本的にスタンドではなくアームを購入した方が良いです。
画像はロープロファイルマイクアームと組み合わせています。
ショックマウントの導入

ショックマウントを導入するとこのようになります。
今回はホワイトモデルのショックマウントを使用していますが、ブラックモデルもあります。
使用しているショックマウントは同じオーディオテクニカのAT8458aです。

AT2040のデフォルトで付いているマウントは、関節部分のネジを外すことで取り外し可能になっています。

画像のようにマウントを完全に外した状態でショックマウントにはめるだけで、取付完了です。
ショックマウントに取り付ける際に、ネジ止めなどは不要で、ただはめるだけです。
初心者でも扱いやすいか
結論としては、ショックマウント・アームをキッチリ揃える予算があれば、初心者でも問題なく使用できます。
口元との距離を10cm以下にする。マイクのトップに向けて喋る。この2つ守っていれば、多少ノイズがある環境でも高品質な音声を録る事が出来ます。
推奨オーディオインターフェースのスペック
AT2040は感度 -53dB (2.2mV) のダイナミックマイクで、一般的なコンデンサーマイクと比べると出力がかなり小さめです。そのため、オーディオインターフェース選びには注意が必要です。
使用距離別の推奨ゲイン量
| マイクと口元の距離 | 推奨される最大ゲイン |
|---|---|
| 近接(10〜15cm) ベストポジション | 55dB以上 |
| 中間(20〜25cm) | 60〜65dB以上 |
| 離れた位置(30cm以上) | 70dB以上またはインラインプリアンプ併用 |
※製品スペックとAIツール(Claude)による算出
選択肢
マイクを口元に近づけて使うポッドキャストスタイルであれば、中価格クラス以上のいずれのオーディオインターフェースでも使えます。
一方、カメラ画角からマイクを退けて使いたい・身体を動かしながら話したいという使い方をする方は、以下のいずれかを推奨します。(マイクと口元の距離が20cmを超える場合)
- 最大ゲイン70dB以上のオーディオインターフェースを選ぶ(例:LEWITT Connect 2、72dB)
- 中クラス以上のオーディオインターフェース + インラインプリの組み合わせ(Cloudlifter CL-1、DM1 Dynamiteなどで+25dB前後追加)
参考:主要オーディオインターフェースの最大ゲイン
| モデル | 最大ゲイン | AT2040との相性 |
|---|---|---|
| LEWITT Connect 2 | 72dB | 近接〜中間距離で最適 |
| Focusrite Scarlett 2i2 (4th Gen) | 69dB | 近接〜中間距離で最適 |
| MOTU M2 | 60dB | 近接距離推奨 |
| Steinberg UR22C | 60dB | 近接距離推奨 |
| Focusrite Scarlett Solo (4th Gen) | 57dB | 近接距離のみ |
| Yamaha AG03MK2 | 約46dB | ゲイン不足の可能性高 |
| audio-technica AT-UMX3 | 数値不明 | AT2020最適化設計、AT2040ではゲイン余裕少 |
※スペック上の数値と実使用での余裕を考えると、選ぶなら最低でも60dB以上、距離をとる使い方を考えている人は70dB以上を推奨します。
※音声サンプルはLEWITT Connect 2を使用。口元との距離30cmの場合、少しゲインが足りなかった。
配信向け定番ミキサーをお使いの方への注意
配信者に人気の高いYamaha AG03MK2(最大ゲイン約46dB)とaudio-technica AT-UMX3は、いずれもコンデンサーマイクをメインターゲットとした設計のため、AT2040のような出力の低いダイナミックマイクにはゲイン量がやや物足りません。
特にAT-UMX3は、<開発者インタビューによると>同社AT2020を口元から30cm離して使うことを前提に設計されているため、感度が16dB低いAT2040ではゲインが頭打ちになる可能性があります。
これらをすでにお持ちの場合は、Cloudlifter CL-1やDM1 Dynamiteなどのインラインプリを併用することをおすすめします。
比較 : 他のマイクとの違い
ダイナミックマイクとの比較 (FIFINE Tank3)

AT2040の方がスッキリとした音になっています。Tank3はより迫力のある音になっているのかなと思います。ただ、Tank3は近接効果がかなり強く、距離5cm辺りで使用するのは難しいです。そのため、口元との距離をできるだけ近づけて、ノイズの入りを抑えたい、という用途にはAT2040の方が向いています。
また、AT2040には専用のショックマウントがある事を考えても、よりレベルの高い音声を目指したい場合、AT2040の方が向いていると言えます。
コンデンサーマイクとの比較 (audio-technica AT2020)

ノイズの少なさ、反響の少なさ、といった環境がある程度整っている場合はAT2020の方が良い音だなと感じます。音の解像感の高さや繊細さはかなり上です。ただ、環境が整っていない場合はAT2040の方が良い音になりやすく、どんな場面でも扱いやすいです。
どちらを選ぶかは使う環境次第になりそうです。
audio-technica AT-UMX3との組み合わせ

オーテクからはAT2040と相性の良いAT-UMX3という配信向けオーディオインターフェースも発売されています。
コチラはAT2020やAT2040向けに設計された配信向けオーディオインターフェースで、ループバックやマイクモニタリングといった機能も充実しており、是非合わせて購入したい製品になります。
条件 : 15cm / 無加工 / 環境音なし
音質は先ほどまでのLEWITT Connect2と遜色ない良い音になっています。
ただ、肝心のゲインについてですが、口元との距離15cmで使用した際にゲインノブが3時を過ぎたところに来ていたので、それ以上の20cm・30cmで使おうと思ったらインラインプリを導入する必要があります。
また、声が小さい方やマイクに乗りにくい方もインラインプリの導入は覚悟しておいた方が良さそうです。
とは言え、距離10cmとかで使う場合は、ゲイン不足を気にする必要は無いと思います。
「audio-technica AT2040」レビューまとめ

- ノイズに強く、使いやすいマイク
- 低音域の厚みが丁度よくて、リッチさとクリアさが両立している
- 近接効果が弱めで、口を近づけてもクリアめな音
- 金属筐体で質感が高い
- シンプルなデザインでプロ機材感が強い
- ゲインが稼げるオーディオインターフェースやインラインプリが必要
- ショックマウント・アームの導入は必須級
以上になります。
いかがだったでしょうか?
- ノイズのある環境でもクリアな音声を録りたい方」
- 配信・ポッドキャスト・VCで聞き取りやすい声を届けたい方
- プロ向けの機材に一歩踏み出したい方
- オーディオインターフェースやインラインプリを購入する予算が無い方
- 口元とマイクの位置関係が頻繁にズレる方
- 息遣いなどの繊細な表現をしたい方
audio-technica AT2040は、ショックマウントやアーム、オーディオインターフェースやインラインプリといった、マイク本体以外にも購入しておきたいアイテムが多く、初心者が導入するにはハードルが少し高いマイクになります。
ただ、機材さえ揃ってしまえば、ノイズに強い良質なマイク環境が出来上がるので、配信やVCなどで良い音質にしたくて、ある程度の予算も用意できるよっていう方におすすめに感じます。
通話や配信、動画収録用に、聞き取りやすい声をしっかり届けたい方は、ぜひチェックしてみてください。
本日は最後までお付き合いいただきありがとうございました。
また、次の記事でお会いしましょう。



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