こんにちはもちゅです。
本日はFiiOから出ているイントラコンカ型イヤホンの代名詞、FiiO FF5を友人から借りることができたので、その音質について徹底的にレビューしていきます。
初めに軽く特徴をお伝えすると、唯一無二の音と言ってもいいぐらい自我強めでパワー系の音でした。
音全体に芯を持っており、例えるなら「音一つ一つがピッチャーから放たれた野球ボール」、こんな印象を与えてくれる音になっています。(野球経験ゼロなのでただのイメージです)
特に低音ではキック感が強く、聴く曲のイメージが変わってしまうほどの特長的な音質に感じました。
イントラコンカ型のイヤホンを求めると絶対と言っていいほど候補に上がる選択肢になるはずなので、その音質について気になっている方も多いはずです。
ホントならショップで試聴するのが一番早いですが、できない人に向けてできる限り情報量の多い感想をお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
それでは本編。
はじめに
今回FF5をお借りした理由
ここは気になる人向けという事で、一応記載させていただきます。
ほとんどの方にとってどうでもいいと思いますので飛ばしていただいて大丈夫です。
ではなぜ今回FF5をお借りしたかというと、私がずっと買おうか迷っていたイヤホンだったからです。
イヤホン・ヘッドホンを選ぶうえで私が最も大事にしているのはその装着感でして、長時間装着をしてどうなのかをメインで選んでいます。そのため行きつく先は開放型やイントラコンカ型になり、イントラコンカ型イヤホンの代名詞とも呼ばれるFiiO FF5を買おうかずっと迷っていたというわけです。
そして買う前に一旦じっくり試してみたいと考えていた時に丁度友人が所持していたため、お借りすることにしました。
友人には感謝です。
FiiO FF5のスペックと特徴
スペック
FF5のスペックは下記表になります。
ドライバー構成 | ダイナミックドライバー × 1基 |
インピーダンス | 45Ω(@1kHz) |
音圧感度 | 106dB/mW(@1kHz) |
再生周波数帯域 | 20Hz – 20kHz |
ケーブル仕様 | 線材 : 銀メッキ単結晶銅 ケーブル長 : 約120cm コネクタ : MMCX プラグ : 3.5mm/4.4mm 交換式 |
重量(片側) | 約3.4g |
付属品 | 銀メッキ-単結晶銅ケーブル 3.5mm/4.4mm交換式プラグ シリコンリング : Mサイズ / Lサイズ(各3ペア) スポンジカバー : 低域重視 / バランス重視 / 広域重視 (各6ペア) MMCXアシストツール HB1 クリア―ストレージケース クリックスタートガイド |
気になる方は公式ページへ。
特長
圧倒的軽さを誇るアルミニウム合金製ボディ
2万円台とミドルな価格帯のイヤホンですが、FiiO製のハイエンドモデルで採用されているものと同じ材質を使用しており、片側あたり3.4gと非常に軽量になっています。
実際に装着するとその軽さに驚くでしょう。
完成された標準ケーブル
ケーブル単体で万を超える物にも引けを取らないこだわり抜かれたケーブルが標準でついてきます。
392本を撚り合わせて作られており、そのおかげで音のディテールが増します。
また、柔軟性にも優れるためタッチノイズの低減や取り回しのしやすさ等、完成度の高いケーブルになっています。
新設計のダイヤフラムを採用
搭載されている14.2mmの大型ダイナミックドライバーには、新しく開発された「カーボンペースダイヤフラム」というものが採用されています。
実際にその恩恵は大きいみたいで、非常に軽量かつ剛性に優れる材質のおかげで、先ほどもお伝えした圧倒的軽量ボディ、それでいて今までにないような繊細な描写やクッキリとした解像感の高さを実現してくれます。
豊富すぎる付属品
スペック表にも記載しましたが、おまけでついてくる付属品がおまけの域を超えています。
リケーブルなしでバランス接続とアンバランス接続を切り替えられる交換式プラグであったり、各サイズ2回までは失くしても問題ないシリコンリング、音の傾向を若干変えてくれるスポンジカバーが三種類(なんとこちらは各6ペアあり、5回までなくせる)、
あまりにも豊富すぎる付属品が付いてきます。
感想
FiiO FF5 の音質
いよいよ聞いてみた感想になります。
※本記事に記載されている感想はすべてエージング完了時点での感想です
聞いて真っ先に感じたことはアタック感の強さでした。
冒頭でもお伝えした、音の粒一つ一つが「ピッチャーから放たれた野球ボール」であったり「へカートⅡから放たれた12.7㎜ × 99㎜の弾丸」のような一点集中型かつ鋭く破壊力のある音で、「キャラが立ってる!!」と言いたくなるような特徴的な音質です。
特徴を簡単にまとめると
高音 解像感が高く明瞭、全体的に硬い印象
中音 安定感があり近くで聞こえる
低音 キック感が強く存在感が強め
その他
・中音から弱高音よりな音
・ボーカルが近くてはっきり聞こえる
・音場は特別広いわけでは無い
・そこそこ刺さる
高音
高音域は解像感が高く、輪郭がはっきりしています。
また、高音の響き方が硬く冷酷さのような物を感じ、クールな高音だと感じました。
開放型系らしく音の抜け感があり、金物系の音は気持ちよく抜けていきます。
ただ、少し残念だったのが高音のボーカルが強烈に刺さります。
低音
このイヤホンを語る上で忘れてはいけないのが、その特徴的な低音です。
深く沈み込むような低音ではないものの、その存在を無視できないほどのキック感マシマシな低音が鳴ります。
タイトながらも、ある一点で弾け飛ぶような感覚があり、曲全体に勢いが増していつもの1.1倍アップテンポに感じました。
この低音の存在がFF5のキャラを立たせている所以だと思います。
イントラコンカ型だからと舐めていたのですが、いい意味で期待を裏切られました。
その他
音場の広さはイントラコンカ型にしては狭めな印象です。
イヤホンという枠の中では広い部類に入るのですが、イントラコンカ型イヤホンという枠の中では控えめな立ち位置になると思います。
また、ボーカルは近くて明瞭かつのびのびとした印象を受けるのですが、曲のサビ等、全体的に盛り上る場面では、低音のキック感とボーカルの近さが相まって、窮屈さを感じます。
全体を通しての音の傾向は中高音よりで、特徴的な低音のおかげで弱ドンシャリかなといった印象です。ウォームのウの字もないくらいのクール系な音質なので、バラード系の曲はあまり向いてないように感じました。
曲全体の盛り上がりという観点では100点満点で、どんな曲であっても聴いている側を確実に楽しませてくれる事は間違いないのかなと思います。
FiiO FF5 の良かった点
特徴的なキャラクターを持ったFF5ですが、尖っている分「良かった点・悪かった点」もはっきりしています。
良かった点としては下記の4点です。
- 曲を聴くのがすごく楽しい
- イントラコンカ型とは思えない低音の存在感
- 音全体に芯がある
- 純正のケーブルが扱いやすい
曲を聴くのがすごく楽しい
いつも原音に忠実な悪く言えば「つまらないイヤホン・ヘッドホン」を好んで聞いていた分、今回味付けされたイヤホンを聞いてみて、その良さを再確認できました。
全体を通してアタック感があるため、どんな曲を聞いても確実にハイにしてくれます。
たまに聴きたくなるヤツです。
イントラコンカ型とは思えない低音の存在感
FF5と言えばキック感のある低音、と言っても差し支えないほど低音に存在感があり、聞く側を楽しませてくれます。
カナル型イヤホンや密閉型ヘッドホンのような体の奥底へと沈み込む低音とは違った、弾けるような低音で個人的に新鮮さがあってよかったです。
また、キック感があるからとは言え音の雑味は全くなく、繊細で丁寧な印象だったのは良かった点です。
EDM系が好きな方が好きそうな音
純正のケーブルが扱いやすい
標準でついてくるケーブルとは思えないほどケーブルの完成度が高く、タッチノイズの少なさと取り回しの良さが個人的に最高でした。
柔らかすぎず硬すぎずの丁度いいバランスで、ポッケにしまって取り出した時に、絡まることなくスムーズに取り付けから装着まで持っていけるのが良いです。
また、プラグを取り換えるだけでバランス接続も可能になっていて、しかもそれが付属というのも驚きました。
取り回しの良さだけにとどまらない完成されたケーブルがついてくるのはかなり強いですね。
FiiO FF5 の悪かった点
私の好みとは真逆の音質だった分、悪かった点は目立って感じました。
感じた悪かった点は下記の3点です。
- 曲を聴くとなると3時間が限界
- どんな曲を聴いてもFF5の音になる
- 人の声が刺さる
- 装着するたびに左右を確認しないといけない
曲を聴くとなると3時間が限界
アタック感全開の音質になっているので、3時間以上聞いていると頭が痛くなってきます。
BGMを流しながらの作業用として長時間使うのは不可能のように感じました。
冒頭にもお伝えした通り、メインの作業用とは別で曲を楽しむ専用のイヤホンとしなら100点満点の音質ですが、作業用のイヤホンとしては厳しいと思います。
どんな曲を聴いてもFF5の音になる
私個人の感想だと残念に感じてしまいました。
イヤホンとしてのキャラが立ちすぎている分、曲そのもののキャラを殺してしまっているような印象を受けました。
勢いのあるアタック系の音質なので、バラード系の曲を聴いていても、ずっとせかされているようで、どうしても落ち着かないのがあまり好きじゃなかったです。
EDM系やアップテンポの曲が好みだという方には刺さると思うのですが、バラード系の曲が好きな方や、音楽を聴いて落ち着きたいという方にはおすすめしずらいです。
人の声が刺さる
音楽を聴いている時はあまり気にならなかったのですが、動画視聴などで人の声をメインで聞くときにかなり耳に刺さるため、正直FF5で動画視聴はしたくないなと感じました。
低音・高音、女性・男性問わず刺さるので、ボーカルが近めのチューニングになっていることと、全体を通して硬めの音質なのが原因のように思います。
やはり何事も硬すぎるのは良くないですね。
装着するたびに左右を確認しないといけない
このイヤホン、左右の区別がイヤホン本体に書いてある「L / R」の文字でしかできないです。
構造上仕方ないのかもしれませんが、装着するたびに確認する手間が必要なので、長く使うとなるとかなり致命的な欠点のように感じます。
シュア掛け専用のイヤホンや、前後で形の違うヘッドホン、左右のどちらかにのみケーブルが生えているヘッドホンなど、簡単に左右の区別がつく機種ばっかりを使用してきたので、いざ体感で左右の区別がつかないイヤホンを使ってみると、その不便さを身に染みて感じました。
左右どちらかにテープを貼って無理やり区別をつきやすくすることもできるのですが、標準で何かしら工夫してほしかったなと思います。
まとめ
- 曲を聴くのがすごく楽しい
- イントラコンカ型とは思えない低音の存在感
- 音全体に芯がある
- 純正のケーブルが扱いやすい
- 曲を聴くとなると3時間が限界
- どんな曲を聴いてもFF5の音になる
- 人の声が刺さる
- 装着するたびに左右を確認しないといけない
以上がFF5を使ってみた感想になります。
では一体どんな人におすすめなのかというと、
- EDM系やアップテンポの曲が好みな人
- 複数のイヤホン・ヘッドホンを所持もしくは買える人
- とにかく曲を楽しく聴きたい人
正直初めての有線イヤホンとしては少し尖りすぎた音質のように感じました。
メインでは別の物を使用するけど、たまの休日や気分をあげたい時用として一台持っておきたい、そんな位置づけのイヤホンだなと言いたいのですが、、、
私個人としては、ならカナル型を買うなと思ってしまい、装着感が良さの一つであるイントラコンカ型イヤホンとしては絶妙な立ち位置のイヤホンですね。
ただ、付属品や標準ケーブルなどこのイヤホン一つ買うだけで完成するという良さもあり、コスパの面ではかなり高いと言えます。
刺さる人には確実に刺さるイヤホンであることは間違いないので、本記事を読んで好みの音質にバッチリ合うなと感じた方は買って良いのかなと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
今回の試聴環境はEPOSのGSX300というゲーミングアンプになります。
今後本格的な試聴環境を導入した際に音質が変化した場合は、その変化についても追記する予定です。
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